本ページはエネルギーガイド編集部による独立調査です
工場・オフィスの電気代削減は「電力契約の見直し(即効)」「運用改善(即効+継続)」「省エネ設備(中期)」の3層で取り組みます。本記事では10の手段を、効果が出る条件と自社での確かめ方とあわせて整理します。削減率は施設の使い方・設備の状態・現在の契約条件によって大きく変わるため、本記事では一律の数字を示しません。
まず押さえること:効果は「いまの契約と使い方」で決まる
同じ手段でも、効果が出る施設と出ない施設があります。順番を間違えると、設備投資をしたのに基本料金が下がらない、ということが起こります。契約の見直し → 運用改善 → 設備投資の順で確認してください。
10の手段と、効果が出る条件
1. 電力会社・プランの見直し
効果が出る条件:使用量(kWh)が多く、電力量料金の比重が大きい施設。確かめ方:直近12か月の請求額を集め、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・市場価格に連動する調整費に分けて、年間の総額で比べます。単価だけでは比べたことになりません。切り替えないほうがよい場合もあります。
2. 契約電力(デマンド)の見直し
効果が出る条件:過去のピークが一時的な要因で立っており、その後は同じ水準まで上がっていない施設。確かめ方:一般送配電事業者から過去のデマンド実績を取得し、最大値がいつ・何が動いていたときに出たかを特定します。
3. LED照明への切替
効果が出る条件:点灯時間が長く、いまの光源の消費電力が大きい施設。確かめ方:現在の光源の消費電力(W)×台数×年間点灯時間と、候補機種の消費電力で試算します。削減率は機種と点灯時間で変わるため、メーカーの公表値と自社の使用条件で計算してください。
4. 空調機の更新
効果が出る条件:稼働時間が長く、現行機が古い施設。確かめ方:現行機と候補機のカタログ値(消費電力・期間消費電力量)を、自社の稼働時間で比較します。
5. ピークシフト・ピークカット
効果が出る条件:契約電力が実量制で決まる高圧の施設、または時間帯別の料金プランを契約している施設。確かめ方:30分ごとの需要データで、ピークがどの時間帯に立っているかを見ます。低圧電力(動力)は時間帯で単価が変わらないため、ピークシフト単体では電力量料金は下がりません。
6. 太陽光発電(自家消費)
効果が出る条件:昼間の使用量が多く、屋根や敷地に設置できる面積がある施設。確かめ方:発電が見込める時間帯と、自社が電気を使う時間帯が重なるかを確認します。
7. 蓄電池の導入
効果が出る条件:ピークカットで契約電力を下げられる、または停電時の事業継続に価値がある施設。確かめ方:下がる契約電力(kW)×基本料金の単価×12か月と、導入・保守の総額を並べます。
8. 高効率モーター・インバーター
効果が出る条件:動力設備の稼働時間が長く、負荷が変動する用途(ポンプ・送風機など)。確かめ方:対象設備の定格と稼働時間を把握し、機器メーカーの公表値で試算します。
9. 断熱・遮熱対策
効果が出る条件:空調負荷が大きく、日射や外気の影響を受けやすい建物。確かめ方:空調が電気代に占める割合を先に把握します。割合が小さい施設では効果も小さくなります。
10. 補助金の活用
効果が出る条件:補助対象の設備・要件に合致し、公募期間に間に合う場合。確かめ方:補助率・上限額・対象要件は制度と年度によって異なります。公募要領の原文で確認してください。
取り組む順番
- 契約の見直し(契約電力・プラン):設備投資が不要で、まず確認できる
- 運用改善(稼働時間・設定温度・不要時の停止):費用をかけずに続けられる
- 設備投資(LED・空調・PV・蓄電池):①②で分かった自社の使い方をもとに選ぶ
切替や契約変更にかかる期間は電力会社と手続きによって異なります。ご契約中の会社にご確認ください。
法人の電力切替・電気代削減のご相談
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