店舗の電気契約|電灯と動力、テナント・フランチャイズで確認すること

店舗の電気契約|電灯と動力、テナント・フランチャイズで確認すること

店舗の電気は、照明やコンセント用の「電灯」と、業務用エアコンや冷蔵設備用の「動力」の2本の契約になっていることがあります。見直しを考える前に確かめたいのは、そもそも自分で契約を見直せる立場か——つまり契約者が誰か、です。

目次

結論:確認する順番

  1. 契約者は誰か(自社/ビルのオーナー・管理会社/フランチャイズ本部)
  2. 電灯と動力の両方があるか。それぞれの契約電流・契約電力はいくらか
  3. 費用を負担するのは誰か。契約者と負担者が違うと、削減の効果が誰に返るかも変わる

1. 店舗の電気契約の基本

 電灯(従量電灯B・C)動力(低圧電力)
つながっているもの照明・レジ・コンセント・事務機器業務用エアコン・冷凍冷蔵・厨房の動力機器
契約の単位契約電流(B:10〜60A)/契約容量(C:6kVA以上・原則50kVA未満)契約電力(kW・原則50kW未満)
供給方式(標準)単相2線式100V/単相3線式100Vおよび200V3相3線式200V

東京電力エナジーパートナーの約款では、両方を契約する場合、電灯側(契約電流10A=1kW、契約容量1kVA=1kWとみなす)と動力側の契約電力の合計が50kW未満であることが適用の条件とされています(特定小売供給約款 令和8年4月1日実施 p.11・p.24)。

電灯と動力の単価の違いは動力(低圧電力)と電灯の違いで詳しく比べています。

2. 契約者は誰か

契約者見直せること確認する相手
自社(店舗名義で電力会社と契約)契約電力・プラン・電力会社・使い方のすべて契約中の電力会社
ビルのオーナー・管理会社使い方のみ。契約の見直しはオーナー側の判断オーナー・管理会社(契約の形と、電気代の算定方法)
フランチャイズ本部の指定・負担がある本部の方針による本部(契約の指定の有無、負担の割合)

テナントで電力会社を選べないことがある

ビル全体で一括して受電し、各テナントへ電気を分けている建物では、入居者が個別に電力会社を選べないことがあります。この場合、請求はオーナー・管理会社から来て、単価もビル側の算定方法によります。

自店がどちらに当たるかは、検針票・請求書の発行元で見当が付きます。電力会社から直接届いていれば自社契約、オーナー・管理会社から届いていれば一括受電の可能性があります。確実なのは契約者に直接確認することです。

フランチャイズでは費用の負担者が本部のことがある

たとえばセブン‑イレブンの公式サイトには、加盟店の水道光熱費の80%を本部が負担する制度が記載されています(2026年9月24日確認)。

制度の内容はチェーンごとに異なります。負担の割合が大きいほど、加盟店が電気代を下げたときに加盟店に返る金額は小さくなります。見直しに手間をかける前に、契約書・加盟店規約で負担の仕組みを確認してください。

3. 開業時の申込みと、既存契約の見直しは別のもの

 開業時の申込み既存契約の見直し
決めること電灯・動力の要否、契約電流・契約電力、電力会社契約電力が使い方に合っているか、プランが総額で有利か
判断の材料設備の一覧と図面(実績がない)過去12か月の使用実績
起きやすいこと余裕を見て契約電力が大きくなりがち開業時のまま何年も見直されていない

開業時は実績が無いため、設備の容量から契約電力が決まります。数年たって実際の使い方が分かった時点で、一度見直す価値があります。約款にも「適正契約の保持」の定めがあり、契約が使用状態に比べて不適当と認められる場合は変更が求められます(p.37)。

4. 法人名義と個人事業主名義で料金は違うか

東京電力エナジーパートナーの特定小売供給約款では、従量電灯・低圧電力の適用範囲は電気の使い方(電灯か動力か、契約電流・契約電力の大きさ)で定められており、契約者が法人か個人かで単価を分ける定めは置かれていません(p.11〜13・p.24〜26)。

「法人のほうが安い」と言われることがあるのは、法人の店舗のほうが使用量が多く、動力を契約していることが多いためと考えられます。動力は1kWhあたりの単価が電灯より低いためです。名義を変えれば安くなる、という話ではありません。

※自由料金のプランでは、会社ごとに法人向け・個人向けのメニューが分かれていることがあります。各社の料金表でご確認ください。

5. 契約を替える・解約するときに確認すること

  • 契約期間と自動更新の有無、解約金の額と算定方法
  • 閉店・移転のときの手続きと、いつまでに伝えるか
  • 🔴 事業のために結んだ契約は、消費者と同じようにはクーリング・オフできない場合があります。特定商取引に関する法律第26条第1項第1号は、「営業のために若しくは営業として締結するもの」について訪問販売等の規定を適用しないと定めています

訪問や電話で勧められたときの確認の手順は動力(低圧電力)の電力会社の選び方にまとめています。

よくある質問

テナントでも電力会社を自由に選べますか?

自社名義で電力会社と契約していれば選べます。ビル全体で一括受電している建物では選べないことがあります。検針票・請求書の発行元を確認し、オーナー・管理会社にお問い合わせください。

電気代は法人のほうが安いのですか?

東京電力エナジーパートナーの規制料金の約款では、法人か個人かで単価を分ける定めは置かれていません。安くなるとすれば、名義ではなく契約の種類(動力か電灯か)と使用量によるものです。

開業のとき、契約電力はどう決まりますか?

低圧電力では、設置する機器の容量から決める「負荷設備契約」か、ブレーカーの容量から決める「主開閉器契約」で算定されます。詳しくは契約電力の決め方をご覧ください。

閉店するとき、電気の契約はどうすればよいですか?

契約中の電力会社に解約を申し出ます。契約期間の定めがあるプランでは解約金が発生することがあるため、契約書面で条件を確認してください。

低圧全体の見直しの順番は低圧(50kW未満)事業者の電気代見直しガイドをご覧ください。

本記事の約款・法令・企業の公表内容は、2026年9月24日に原本で確認したものです。電力会社ごとに約款の定めは異なり、改定されることがあります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

RAUL株式会社運営の法人エネルギー専門メディア「エネルギーガイド」編集部。代表江田健二監修のもと、高圧・特別高圧電力切替、蓄電池、PPA、再エネ調達、補助金等の一次情報をお届けします。

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